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山登りをしている人で特に男性に多いのかもしれないが、道具が大好きだという人も多いだろう。色々な登山の場面を想定し、それにあった道具を揃える。寛いでいる時、食事の時、テントを張る時や怪我をした時、などなど。 全ての荷物を持ってはいけないので、如何に軽く、そして如何に見事に対処できるかを想像して道具を揃えるのもとても楽しい。 そんな中でもアクシデント、特に遭難した際の道具と言うのはほとんど使わないが持っておきたい装備である。 その代表的なものがツェルト。テントの一種なのだが、日本では一般的に遭難時等に使う簡易テントという位置づけである。テントに比べて非常に小さく軽い為、低山登山でも必ず携帯して登るようにしている。山岳テントよりも弱く、頼りない造りだが、これがあるだけでどこでも寝られる、何処でも一晩ぐらいは過ごせるという安心感を得る事ができる。 だが、幸いこれまでに一度も使った事はない。 だから以前から「いざという時にちゃんと使えるのか」、とずっと懸念していて使うチャンスを窺っていた。そしてようやくキャンプに出掛けた際に使う機会を得る事が出来た。(まあ愚息が大きくなって来たので2人用の山岳テントから追い出されただけなのだが。。) 今回は実際にツェルトに寝てみた感想を書いてみたい。
条件は上記のとおり。大津谷公園キャンプ場は無料の施設だが、訪問時には芝のサイトは一杯でやや硬い地面での設置となった。また通常ツェルトに入れて持ち運んでいるのは上記の写真のとおり。6本のアルミペグに10mのロープ。一応保温の為アルミシートも入れてある。 ツェルトの張り方は同封されていた説明書を読んで取りあえず張る事にした。
場所や状況、持っている道具によっても色々な貼り方ができるようだが、「ベンチレーターにロープを通して設営」と言う張り方にしてみた。と言うよりストックを2本使って張る方法は別にロープを2本用意したりしなければならないので、今回はパス。 近くにあった木にロープを結び、ベンチレーターにロープを通してもう片方の木に結ぶ。後は接地面に合わせてペグを打って行く。書くと簡単そうだが、あまり綺麗に張れずに何度かやり直した。完成はこんな感じ。
先に張っておいたタープのポールが邪魔していびつな形となってしまった。またツェルトの下部は色々な形に使える事を考慮されて生地が重なっているだけなので、一応100円ショップのシートをひいた。何とか一応形にはなった。
出入りはチャックが付いているのでそれほど苦にはならない。ただ内部は幅が90cmしかないので、横になって寝るには大人1人が限界に思う。大人が2〜3名の場合は大人しく座って過ごすしかない。 気になったのがベンチレーター。この張り方だとベンチレーターがきちんと閉まらない。ひもが付いていて閉じられる様にはなっているのだが、ロープを通している為閉まらないのだ。夜間虫が入ってきたり、風が強い場所での滞在を強いられる時には寒さも増すだろう。今回は洗濯バサミで対処。 さて、夜になったので実際に寝てみる。 最初は通常の登山時の装備であるダウンウェアにカバンを下にひいて寝てみたが、あまりの寒さと寝心地の悪さに念の為持ってきたテント用マットに寝袋を利用。何とか寝られるレベルとなった。まあこれだけ装備を揃えれば寝られるのは当たり前なので、朝まで普通に眠る事が出来た。 さて、翌朝だが、まずテント内部の結露が酷い事に気付いた。フライシートがないので当然なのだが、外よりも内部が水滴レベルで濡れている。寝袋も濡れてしまった。またベンチレーターを洗濯バサミで閉じて置いたのだが、やはり隙間があってそこから虫が数匹入り込んでいた。 まとめ 結論とすればツェルトで夜を過ごす事は可能である。死に直結する風や雨などの寒さを防ぎ、害虫などからも身を守ってくれる。薄い布だが、あるとないとでは安心感が違う。 ただ運用には少しの慣れと準備が必要だろう。しっかりと休養を取るならば寝袋やマットなどが必要だが、日帰りの低山登山にそんな物を持って行くことはあまりない。ダウンウェアやカバンなどで対応するしかない。また状況によって色々な張り方を強いられることもあるので、やはり一度は使って慣れておくべきであろう。 とりあえず今回の経験からベンチレーターを閉じる為に、事務用の小さなクリップを装備品に加える事にした。また寝袋代わりに寝袋のインナーシート程度なら携帯ができそうなので、今後検討したい。 ツェエルは決して安くないので中々持って歩く人も少ないかもしれないが、命を守り、「どこでも夜を過ごせる」と言う安心感には代えがたいだろう。「あれが要るこれが要らない」と装備を考えるだけでも楽しいし。 またどこかでツェルト張りたい。
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