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2010年10月2-3日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1泊2日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Day1 ようやく八ヶ岳の地図を使う事が出来た。 今年の6月(3連休)に使おうと思い購入したのだが、その時は雨で中止。その後、中々使う機会がなく、「もしかしたらこのまま来年までお蔵入りか、、」、と思っていたところに土日が空き、思わぬ機会を得た。たった2日しかないので、だらだらとさまよう山行はやめ、南ヤツの主峰赤岳一本を狙う事にする。これなら1泊でも何とかなる。 いつも通り金曜の仕事を終え、支度をして出発する。 今年は猛暑で、9が後半からようやく涼しくなってきたのだが、それでもまだ30度を少し下回るぐらいである。山の上がどのくらいになるのかはまだ分からない。 中央道「諏訪南IC」を降り、暗い道を走る。登山口である「美濃戸口」までは単純で道に迷うことはなかった。時刻は午前1時半。3時間半と、思ったより早く着いたので車の中でゆっくり仮眠する事が出来た。 午前5時に目が覚める。 ちょっとおかしい。気にかかる事がある。今回の出発地点は「やまのこ村(=山荘)」としているのだが、現在いる場所とは違う気がする。改めて地図と山荘名を確認すると、今いるのが「美濃戸口の八ヶ岳山荘」であり、目的地であった場所はさらに先の「美濃戸のやまのこ村」であった。少し手前で休んでいた事になる。改めて車で出発。 ところが、である。 この八ヶ岳山荘から先は、一応車で行く事が出来るがかなりの悪路である。狭くて坂も多い。天候がずっと晴れならばなんとか行けるレベルだが、もし雨にでもなったらかなり危険な道となる。4WDならいざ知らず、このへなちょこ軽では冒険はしない方がいい。と言う事で、途中から引き返し、八ヶ岳山荘から出発する事にした。予定よりプラス1時間掛かってしまうが、事故を起こすよりはましである。
準備体操をして、午前6時半いざ出発。 先程引き返してきた道を歩く。一応車道でもあるので、歩く分には非常に歩きやすい。登山前のウォーミングアップにはもってこいだろう。木々が茂り、新鮮な空気に満たされる。ただ、車は結構通るが。。 1時間ほどで当初の目的であった「やまのこ村」に到着した。 案の定というか何と言うか、予想以上に車が止まっていてちょっと吃驚した。あの悪路をこれだけの車が来たんだと思った。高級車やベンツとかも見かける。いやいや。。
少し先に行くと、美濃戸山荘がある。ここからがようやく本格的な登山道になる。改めて出発。 道はなだらか。石はちょっと多いが、特に問題な進める。周りの木々は高く、地面は苔に覆われている。その苔が木にまで至っているものも多く、全体として緑に包まれた森だ。雨が多いのだろうか。屋久島の森にそっくりな気がした。 基本的に川沿いを歩いているようなので、時々川を渡ったり、水の音もよく耳に入る。以前、大きな洪水があったようでなぎ倒された木々が未だに残っている。自然の猛威を感じる場所だ。 道はなだらかなのだが、何せ前回の御嶽登山から約3週間ぶりとなる。その後、相棒がひざを痛めたので、ほとんど山に行く事はなかった。その為か、この程度の登山道でヒーヒーである。。涼しい為汗こそ少ないのだが、息が上がってしまってしょうがない。
なんか、、長い。ずっと木々に覆われているので、今どの辺りを歩いているのか、どのくらいに居るのかが全く分からない。地図上では美濃戸から2時間で目的地である行者小屋に着くとのことだが、既に2時間は過ぎている。膝の事を考えて、かなりゆっくりと歩いてはいるのだが、それにしても未だ鬱蒼とした木々が茂る。9時半を過ぎる。もう既に足が鉛のように重いし、予定より随分時間がかかっているので、今日中に赤岳まで行けるかどうか不安になってきた。頭の中には今回の山行の題名が「八ヶ岳(赤岳)」ではなく、「行者小屋」になってしまうのではないかと思い始めた。まあ、それはそれで面白いのだが。。 10時過ぎ、ようやく視界が開けた。少し元気になる。 やがてヘリポートの印を発見。そして10時30分、ようやく行者小屋に辿り着いた。ひとまず安心。それにしてもこの登山道、ほとんど案内看板がなかった。。
ふらふらなのだが、気合を入れてテントを張る。料金は1,000円/人。結構高い。テント場はそれほど広くはないが、既に半分以上埋まっている。そしてそのほとんどが空。もう出掛けているのだろう。 簡単に昼食をとり、11時半、膝に不安のある相棒をテントに残して赤岳に向けて出発する。 ところで、、目の前にあるのが目指す赤岳なのは分かるけど、ちょっと急すぎやしないか。まるで「壁」だぞ。。昼近くになり気温も上がってきている。幸いまだガスっていないが、もたもたしていたら危ない。 気合を入れて登り始める。 最初はそれこそ「腕試し」ならぬ「足試し」程度だったが、すぐに見事な傾斜に変わってきた。選んだのは文三郎登山道という道だが、急傾斜過ぎて多くが階段になっている。もちろん気合を入れて登ってゆくのだが、そんな気合などあっという間に消されてしまうほどの斜面だ。しかもこれが結構続く。
しばらくすると、もう気合云々より、とにかく一歩づつ、だらだらでもいいので先に進む事だけを考えた。目の前にそびえて来た赤岳の岩肌が随分まだ遠いのだが、今は目の前にある道を進むしかない。 標高2,500m付近を超えると、木がなくなる。森林限界のようだ。ただ、道はなくならない。やっと見えてきた尾根へ向けてずーっと続いている。 12時40分、何とか尾根である文三郎尾根へ到着した。ここを右に行けば阿弥陀山岳、左に行けば赤岳や中岳、そして北八ヶ岳へと続く。さて、まだゴールではないので、先に進む。 これまでと違って、岩場など幾分変化のある道になってきたので、少し余裕が出てきた。もちろん山頂が近いってのもひとつある。 そうこう思っているうちに、もっと岩場らしい場所が出始めてきた。赤岳は八ヶ岳の中でも難しいコースと聞いていたので、ちょっと楽しみである。ストックをカバンにつけ、手袋をはめて登り始める。途中からは鎖も大量に出現し、岩場と格闘しながら登ってゆく。 なるほど、確かにこれまでのコースとは違い、ロッククライミングの要素が多い。「稜線の散歩!」とは全く違う。 でも、言うほど難しくはなかった。山頂付近はガスに覆われてきて視界も悪くなってきたが、身の危険を感じるほどまではいかなった。死者も出ているようだが、余裕を持った計画と事前の準備をしておけば、大きな確率で危険は回避できる。無理は一番良くない。
13時半、赤岳山頂(2,899m)到着。 山頂は狭く、あまり座ってはいられないけど、近くには小屋がありそちらで休むことにした。 軽く軽食をとり、さて下山。帰りは赤岳展望荘を経て、行者小屋に戻る事にした。地図上に「クサリ」とか「ハシゴ」という表記がたくさんあったので、選んでみた。 山頂からの下りは、、急だ。登りも崖だったが、こちらもやっぱり崖だ。ストックを使い、慎重に足を進める。滑ったら一気に下まで転がり落ちてしまうだろう。登って来る人達もゼイゼイ言いながら、「バテテしまって・・」と言いながら登って来る。いや〜、バテますよ、ここは。
そんな時、上にいた若者から声が上がった。 「ブロッケンがでてる!」 えっ!と思い、すぐさま崖の下を覗いてみる。 確かに光の輪が出ている。初めての経験だ。山でよく起こるこの現象は、崖などで這い上がって来る雲が消える場所で起こりやすいとのことだ。背後に日光を背負う必要もあるかもしれない。横にずれると、一緒に光の輪もずれる。面白い。ほんの数秒であったが、貴重な経験ができた。 慎重に下りつつ、赤岳展望荘を通過。そのまま5分ほど歩き、地蔵の頭までやってきた。ここから行者小屋に向けて一気に下る。 ここからもまずまず急だ。鎖もたくさん設置されており、もちろんハシゴも多い。登りは大変だろうなあ、と思いつつ慎重に下る。少しづつ大きくなってゆく行者小屋と我がテント。これを眺めながら歩くのは嬉しいものだ。
足も痛くなり始めた15時半、行者小屋テント場に到着。夕食を食べると、横になっているだけで眠ってしまいそうになり、18時過ぎには就寝。 Day2 今日は下るだけなので朝はとてもゆっくりした。夕べ、トイレに起きた際に星がとても綺麗に輝いていたので、今日は晴れだと思ったが、晴れ時々曇りって感じであった。天気予報では今日から下り坂になるそうなので、早目には下山したい。 朝の気温は5度。深夜が3度ではあったが、予想よりはずっと暖かかった。寒がりの相棒はモンベルの#1で眠っていたが、温かくかなり快適だったようだ。 テントを撤収し、7時半、下山開始。 昨日、結構な時間歩いたので、やや足が痛い。でも十分に歩けるレベルだし、幸い相棒の膝も大丈夫なようだ。 昨日来た道を下る。正直、あまり変化のない退屈な道である。森の緑は綺麗で空気も美味しいのだが、最後はやはりちょっと飽きてきてしまった。
ゆっくり歩いた為か2時間以上かけてやまのこ村へ、そして1時間で八ヶ岳山荘に戻ってきた。 今回も無事に帰れたこと、そして難関と思っていた赤岳が、意外にも問題なくクリアできたことはちょっとした収穫であった。
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