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2010年5月1-2日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1泊2日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「比良山系」とは滋賀県・琵琶湖西岸にある南北に伸びる山系である。最高峰の武奈ヶ岳(1214m)を始め1000m級の山々が連なっている。冬には雪も多く降り、以前はスキー場などもあったらしい。ちなみに比良山という名前の山はない。 仕事を終え、金曜日の深夜に出発する。 既にGWに入っているが、さすがにこの時間は高速も空いている。家を出て2時間ほどで大津SAに到着。時刻は午前2時だが、ここは既に大混雑。ほとんどの車が仮眠を取っている。自分も仕事の疲れと睡魔に勝てず、ここで少し仮眠する。2時間ほどで出発するつもりだったが、結局朝の6時まで眠ってしまった。外は結構寒い。 高速を降り、琵琶湖西岸を走る。 1時間ほどで国道161号から県道322号に入り、そのまま登山口であるイン谷口に到着。車は2台ほどしか止まってなく、思ったより少ない。準備運動をして午前7時、登山開始。 今回はイン谷口より入り、釈迦岳を経て、金糞峠(又は八雲ヶ原)でテン泊し、翌日武奈ヶ岳に登って再びイン谷口へ下りてくる予定だ。 半年振りのテント泊登山。従ってずっしりくるザックを背負うのも半年振り。ザックの重さが17kg。一眼レフのバックが2kgなので計19kg。比良山系は水場の情報があまりないので今回は多めに持ってきたのでちょっと重め。 誰もいない登山道を相棒と二人で歩き始める。まだ夏とも冬とも言えない木々の風景が登山者を迎えてくれる。気温はちょうどいい。寒くないし、暑くもない。道はそれなりに踏まれていて、石などもあるが歩くのに苦労することはない。 歩き始めて50分、少し汗ばんできた頃に「神爾の滝」との看板を見つける。・・・って、道間違っている?? 途中、一ヶ所だけ案内看板のない分かれ道があったが、どうやらそれが目指す道だったようだ。まず先に釈迦岳に登らなければならない。
結構道が荒れてくる。しっかり踏み込まれているので迷う事はないが(さっき迷ったが)、久しぶりの重いザックに足も重く感じる。 途中、突然コンクリートの建物や山麓まで繋がる斜面が現れる。リフトがあったような場所だ。多分リフトだろうと思う。以前ここには比良スキー場というスキー場があり、現在は廃業しているが恐らくそのリフトがあった場所であろう。少し寂しくも感じるが、その分山が静かになっているのも事実だ。 少し休憩してから再び登り始める。 地図を見ても結構急斜面なのだが、やはり登りがきつい。標高はそれなりに高くなっているのか時々見える景色は良い。1000m程度の山でも侮る事はできない。 登り始めて4時間、ようやく1つ目の目標釈迦岳(標高1060m)に到着。周りは木に覆われていて視界はない。休憩を兼ねて軽くおやつを食べる。麓は新緑が始まっているところもあったが、ここはまだ冬の世界。木々に葉はなく、風が吹くと寒く感じる。釈迦岳に近づくと、少しずつだが登山客が見られるようになった。
釈迦岳から西に向かい、カラ岳を過ぎ八雲ヶ原に向う。カラ岳付近までは気持ちのよい稜線で、道もなだらかだ。もう釈迦岳に登った時点で登りは満足って状態だったので、この道は嬉しい。 カラ岳から30分ほどで八雲ヶ原に到着。ここらは以前比良スキー場があった場所で、随分と開けている。少し歩くと池が見つかる。ヤクモ池と言うそうだ。この辺りは石や木等で座れる場所が作られており、たくさんの人がお昼を食べている。 時間もよかったのでここで昼食。ストーブで湯を沸かし、カップ麺をすする。幸せなひと時である。 さて、時刻は午後1時前。そろそろ今日のテントを張る場所を考えなければならない。候補は2ヶ所。 ひとつはここ八雲ヶ原。もうひとつはここから30分ほど南下した金糞峠。 両者を見てから場所を決めようと思っているのだが、八雲ヶ原も悪くはない。ヤクモ池から少し離れれば木々の間にテントを張れる良い場所がある。澄んだ小川も流れており、沸かせば料理ぐらいには問題なく使えるだろう。 とりあえず金糞峠を見て、悪かったらここに戻ってきてテントを張る事にした。 八雲ヶ原から沢沿いに南に下る事約30分、金糞峠へ分かれる地点に到着。ここで既にテントを張っている人がいた。水もあり、平らな場所も幾つかあるのでテントサイトになっているようだ。 雰囲気的には八雲ヶ原の方が良かったが、30分以上も掛けて八雲ヶ原に戻るのも億劫だったので、今日はここでテントを張る事にした。
ちなみにここ比良山系のテント場だが、八雲ヶ原も金糞峠もトイレがない。 水場は辛うじてあるのだが(金糞峠の水は飲んでも平気だったので飲水可能のよう)、テント場として限りなく自然に近い。アルプスのようにテント場使用料を払うこともないし、管理人がいる事もない。 ゴミは持って帰ることは当然として、トイレは非常に困った。 今回ここに来る前にネットで比良山系のトイレについて調べたが、はっきりと書いてあるサイトはなかった。これについては特に触れていないサイトがほとんどだった。 山中にトイレはまったくないので、やはり外で用を足すことになる。これは悩みどころである。山には来たいが、山を汚したくはない。 比良山系はGWに無積雪でテント泊できる貴重な山だが、来年また来るかどうかはもう少し自分なりに答えを見つけなければならないと思う。(追加2010/7/5 :山用の携帯トイレを見つけました。来年からはこれを使用します) 前日は高速のSAで仮眠、今日も何だかんだで6時間以上も歩いているので、テントを張り終えるとそのまま中で眠ってしまった。 寒くなってきて目が覚めると、既に夕方近くになっていた。外に出てみるといつの間にか自分の他に4張りほどテントが増えている。やはりここはテント場として人気のある場所のようだ。 それにしても冷えてきた。1000m程度とは言え、まだ5月頭。山の中では朝晩は冷える。 夕食を食べ、コーヒーを飲んでいると随分暗くなってきた。 静かな夜である。連休中のアルプスのテント場のように、隣同士でテントを張る事もないので本当に静かである。 午後7時過ぎ、まだ薄暗い程度であったがシュラフに入るとすぐ眠ってしまった。 翌日は5時前に起きる。かなり眠ったようだ。 寝る際は暖かかったが、朝方は寒く感じるほどだった。温度計を見ると1.5度まで下がっている。真冬並の気温だ。やはり山は冷える。 簡単に朝食を終え、テントを片付けてから再び登山開始。午前7時。昨日と同じ時間になってしまった。 今日は金糞峠から北に向かい、中峠を越えて目的である武奈ヶ岳に向う。 最初は中峠までのヨキトウゲ谷を北上。この道が結構荒れていて、しかも沢沿いなので靴やズボンが汚れてしまい、さらに水場が多いので転倒に注意しながら歩かなければならないので結構疲れた。幸い、ヒルはいなかったので助かった。 沢を離れて急坂を登り、ようやく中峠到着。ここからは稜線沿いに武奈ヶ岳へ向う。 中峠あたりから標高も上がってきており、景色も中々。比良山系の南方面も良く見渡せる。まだ禿山って感じだが、高い場所から眺める景色はいいもんだ。 こうやって澄んだ空気の中を歩くのが、山歩きの一番の楽しみ。余計なことは考えず、自然の中に体を置いてこのまま歩いていたい。
稜線と言う事もあって、風が強い場所も多い。また風も冷たいのでウィンドブレーカーを着たり脱いだりと体温調整に忙しい。コヤマノ分岐まで来ると目の前に迫る武奈ヶ岳がはっきり眺められ、いよいよだと思わせてくれる。 結構急斜面のようだが。。 ここからは15分ほどで山頂に登れる。狭い道で岩も多いのだが、山頂が近いって事はこれまで以上に元気をくれる。 午前9時半、武奈ヶ岳山頂(1212m)、到着。一応、日本二百名山のようだ。 有難い事に今日も快晴で山頂からの景色は抜群だ。少しガスってきているので、遠方までは良く見えないがでもでも十分な眺めだ。 山頂にはお地蔵様が置かれていたので簡単に手を合わせ、休憩がてら軽食をとる。 そうこうしている間にも山頂にたくさんの人がやってくる。 昨日のルートではあまり人に会わなかったのだが、やはり比良山系の最高峰では人がたくさん来るもんだ。 40分ほどいて、下山を開始する。今日はこのまま出発地点のイン谷口まで下る。
コヤマノ分岐からイブルキのコバまで一気に下る。まったく意味の分からない名前ばかりだが、地点地点に到着するごとに地図に名前を見つけ、ルートを外れていないと安心する(小心者?)。 快晴。天気がいい。 緩やかな下りは楽で良い。背中のザックの重さにも随分慣れてきた。と言うより、去年の感覚が戻ってきた。まだ随分重いはずなのだが、その重さを感じなくなってきている。体が喜んでいる証拠である。山を、ザックを、自分を感じるこの瞬間を体が、脳が喜んでいる。 午前11時過ぎ、再び八雲ヶ原に到着。 時間が良かったので、またここで昼食。またカップ麺。何度食べても美味しいものだ。 ちなみに武奈ヶ岳からイン谷口への直線のルートは、とてもたくさんの登山者で賑わっている。GWの晴天と言う事もあるが、それでも昨日とのギャップにちょっと驚きである。
登りは嫌いだが、下りは足が痛くなるので、これも嫌いである。登りも下りも嫌いなのになんで登山やってるのかと自問自答するのだが、答えは分からない。嫌いな登りも下りも、テントも、風景も、虫も雨も澄んだ空気も、全てひっくるめて山が好きなんだろうと思う。分からないけど、どれも「山は楽しい」と言う事には変わりない。 麓付近まで来ると新緑が多い。緑が多い。 山頂付近ではまだまだ冬のような景色だが、しっかり夏は来ているようだ。早く今年も色んな山に行きたい。 午後2時半、イン谷口の駐車場に到着。 半年振りのテント泊だったが、楽しく山を歩けた。比良山系は急斜面あり、沢あり、ヒュッテありとルート次第では色んな楽しみ方ができる場所である。雪も多いことから冬山の練習にもなるそうだ。いずれは縦走もしてみたいなあ、と今回の山行で感じた。 来年のGWは、どこかの山へまたテント持って出かけようと思う。
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