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2012年11月3日
日帰り


78.鞍掛山
    (標高882.6m)

登山日 2012年11月3日
登山時間 鞍掛山登山口⇒888m地点⇒鞍掛山山頂⇒かしやげ峠⇒千枚田⇒登山口
(09:10⇒11:15⇒09:10⇒11:40⇒12:30⇒12:45⇒13:45 /約4.5時間)
登山口までの移動手段 自家用車
天候 晴れ
短評 景色は888mの一ヶ所のみだが、全体的に登山を感じることができる山。
難易度
おススメ度
「新・こんなに楽しい愛知の130山」
愛知の低山登山の決定版!低山だからと言ってあなどれない山々。
管理人もこのガイドブックを片手に頑張って登ってます。



今年の夏は海に結構行っていたのでアルプス登山があまりできなく、そうこうしているうちに低山登山の季節になってしまった。ただ最近強く思うのは、「低山登山って面白い」ってこと。だから寒くなってはきたが、またこの季節がやって来たことを嬉しくも思う。
今シーズン最初に選んだのは鞍掛山。標高は888.6m。真冬だと雪が積もる山も、この時期はベストシーズン。冬が来る前に出かけることにした。


猿投グリーンロードを走り、国道を走り、鞍掛山の登山口に着いたのは午前9時頃。途中までの道が結構人気がなかったのでちょっと心配していたが、登山口隣にある小さな駐車場にはすでに数台もの車が止まっていた。意外と人気があるのか。
天気は快晴。放射冷却で少し冷え込みがあったのだが、ここ登山口はさらに空気が冷たい。5度前後かな。

準備体操をして登山口である階段に向かう。
この階段、何ともいい雰囲気を出している(笑)。こういうきちっと整備されていないところが、低山登山の好きなところ。アルプスのようにすべてが分かりやすくなく、それでもちゃんと山になっているのもまたいい。


5-6台は停められる 登山口 まずまず


最初は東海自然歩道になっているのでまずまず歩きやすい。だが結構最初から急坂が現れる。天気は良いがここは山影になっているのでちょっと薄暗い。そんな山の中を黙々と歩く。
少し先に出発した親子3人で登山している家族を抜き、15分ほどで仏坂峠に到着する。ここまで来るとようやく日差しが届き、明るくなる。気分的にも気が楽になる。
ちなみに仏坂峠とは、江戸時代に信州方面に通じた中馬街道のひとつの事らしい。馬頭観音などが祭られている。


結構急かも 鞍掛山は左へ 仏坂峠


またこの仏坂峠から東海自然歩道を外れる。つまり道が悪くなる。それを示すように標識にも、「この先悪路」などと書いてある。まあこれは事前のネット調査で分かっていたのだが、改めてこうやって書かれると気持ちのいいものではないな。
さて、そんなことを言っていて仕方がないので先に進むのだが、ちょっとあまりにも踏み跡が少ない。これは本当に登山道か。迷っているうちに先ほどの家族連れも現れる。

「こちらが道じゃないですか」

そういわれた先に、馬頭観音の隣に奥へと続く道らしきものがある。先ほどは全く気づかなかったがどうやらこれが鞍掛山への道のようだ。お礼を言い、先に進む。


仏様 この先に行って間違えた ここから登る


先ほどよりは、当然だが道跡がしっかりしている(当たり前)。だが結構急だ。道もそれほど広くはないし、足元も良くはない。辛うじて目印のテープがあるので道は分かるが、登山道が崩れかかっている場所もあるので注意して歩く。なるほど、さすが悪路。
ただここら辺は最初とは違い日差しがしっかりと届くので、歩いていても気分がいい。残念ながら木々が覆い周りの景色は見れないが、秋のおいしい空気の中、登山を楽しむことができる。道は良くないけどね。

やがて熊笹が現れる。背丈以上もある大きなものだ。この時期だからそれほど気にはならないが、これが梅雨とか真夏であったら虫パラダイスになっていただろう。全身虫まみれだ。やはり低山登山はこれからの季節が楽しい。


結構急 悪路か 熊笹


熊笹エリアを超えしばらく歩くと、岩場が現れた。細く切れ目がある岩を下る感じだ。一応ロープがしてある。見た目はちょっと高そうだが、しっかり手足を使って下りればそれほどの危険はない。これぐらいの場所があった方が登山らしくて楽しいレベルだ。文句を言う相棒を手伝い、先に進む。
この先もまた少し登り。結構登りが続く。道は最初の頃よりは良くなってはいるので歩きやすい。ただ登坂は続く。


しばらく行くと、鞍掛山でよく道を間違えるという有名な771m地点に到着する。ここはそのまままっすぐに行ってしまいそうだが、鋭角に戻るように曲がらなければならない。しかも尾根から下ってしまう感じに、だ。
ネットでも幾人かの人がここをまっすぐに行ってしまったようだが、幸い今は標識がはっきり出ているし、それに間違った道の方には木で行けないようになっている。どなたか知らないが非常に有難い。


岩場 気も倒れている 間違えやすい771m地点


ここからはしばらく下りとなる。しかも結構急な下りだ。足場が少し崩れているし、先ほどのロープがまた現れる。特に危険を感じるようなレベルではないが、安全にゆっくり下りたい。下りきると少し平坦な場所に出る。結構木が倒れていたりしていて少し歩きづらい。
そしてここから少しずつ登りとなる。どうやらようやく今回の最高地点である888m地点へ向かうようだ。

ここからは登りが続く。結構な傾斜だ。休憩をせずに登るとかなり大変だが、ゆっくり進めば問題もない。
何せ1か月前に登った「蝶ヶ岳の登り」に比べれば楽なこと。距離もないし、それに何より荷物が軽い軽い。何も背負っていないのと同じ位に思える。これが低山登山のいいところだな。荷物が軽い。

ちなみに今回のバックの中身はこんな感じ。
レインウェア(上下)、インナーダウンウェア、タオル、手袋、水(1L)、非常食・行動食・ツェルト、懐中電灯、地図、熊避け鈴、救急セット、財布、携帯電話、登山用腕時計(スント・ベクター)、GPS付きデジカメ・・・

何kgかな。計った事はないが2,3kgはあるのかな。それでも一応これで緊急時には山で一晩は過ごせる(相当寒いが)。そんな安心を背負っていても、これだけ軽いのは本当に助かる。


ロープを使って下る 結構な登り 低山登山は楽しい


ゆっくり登って11時15分、888m地点に到着。今回の一番の標高となるのだが、ここからはこの山行の唯一のビューポイントがある。


888m地点からの眺め



さっき登ってきた771m地点やその奥に宇連山も見える。まだ紅葉にはちょっと早かったが、この景色はなかなか。
ここでおにぎりを食べ、一休みして先に進む。

ここからは緩やかな登り下りの登山道となり、足も軽くなる。途中に馬桶岩と言う岩があり、見学。登山道から20mほど離れている場所にあるのだが、これが一体何なのかはさっぱり分からない。馬に飲ませる為の水なのか。それとも全く関係ないのか。人口の穴?それとも自然?知っている人、情報ください。


この辺りは丸い岩がたくさんあり、その中を登山道は縫うように続いている。
しばらく行くと標識が現れる。かしやげ峠に行く道と、山頂に向かう分かれ道だ。ようやく目的地が近付いてきた。「鞍掛山山頂まで 0.1km、10分」とあるのでもう一息あるのかと思いきや、標識からすぐに到着。10分はちょっとオーバーかな。


なだらかな道を歩く 馬桶岩 山頂までもう少し


山頂には椅子とテーブルがたくさんあり、ちょっと休める。行動食を食べ、写真を撮る。木々に覆われているので残念ながら視界は利かないが、秋の暖かな空気の中しばし休む事が出来る。


帰路は先程の標識から「かしやげ峠」に向けて下る。ここからはまた東海自然歩道になるようで、一応整備された道になる。まあでもかなり朽ち果てた木々になっているので、実質これまでの登山道とそんなに大差はないように思えるが。


鞍掛山山頂 山頂はくつろげる 帰りは東海自然歩道


かしやげ峠まではとにかく下る。ほとんど平坦な道がないほど、下りが続く。それでも傾斜はむちゃくははないので、気をつけて歩けば問題はない。
基本は杉林が多い。退屈な道になるが、気候が良いので歩いていても気持ちがいい。それに東海自然歩道なので時々椅子・テーブルセットが現れたりするので安心もある。

12時半にかしやげ峠に到着。
これは後になって知るのだが、ここには千枚田の洪水で犠牲になった人の霊を祀っている場所のようだ。確かにお地蔵様や「山崩れの〜」と言った石碑があったように思う。
そんな事は知らずに地図だけ確認して先に進む。


気持ち良く歩ける 一部では紅葉が始まっている かしやげ峠


ここから少し登山道を歩くと、木々がなくなり明るい場所に出る。
千枚田の展望台だ。

残念ながら稲刈りも終わってしまい寂しい風景だが、春の田植え後や秋の収穫前にはもっと素晴らしい景観に違いない。時期が合えば是非見てみたいものだ。
なおこの千枚田では、明治37年の大雨による山津波により11人もの死者が出る大惨事があったそうだ。その後、地元の人が復興に向けて荒れ地を田に変えたのがこの千枚田とのこと。先程のかしやげ峠の鎮霊碑もこの災害のものだ。美しい景観の裏には、悲しい歴史があるようだ。

千枚田を下まで下り、県道32号線を仏坂峠まで歩く。ここからはトレッキングシューズを脱ぎ、持ってきたスニーカーに変える。ちなみにこの県道歩きだけで40分も掛かった。長い。。


千枚田展望台から 田んぼのあぜ道を歩く 最後の県道が長い・・・



帰りは千枚田が一望できる場所に来る。県道32号線沿いにあるのですぐに分かる。駐車場も数台停められるようになっているので、是非寄ってみたい。
最後の県道歩きが退屈だが、ハイキングではなく、山登りらしさを味わえる面白い山であった。千枚田の美しい景観と共に是非訪れて欲しい。



千枚田と鞍掛山


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