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2014年7月26-27日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1泊2日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北沢峠〜仙丈ヶ岳〜梅の背ヒュッテ 昨年度はいろいろあってアルプスに行けなかったが、今年は何とか梅雨明け10日のこの時期に出掛けられることになったので早速計画を練る。 今回はアルプス初めての友人Tが同行。テントは持っていないので小屋泊ができるところ、そして時間が限られているので1泊2日で行ける所を探し、南アルプスの仙丈ヶ岳に決定した。 金曜の仕事を終え、深夜に出発する。 仙丈ヶ岳へは、中央道の伊那ICで降りることになる。名古屋からだが、非常に近くて便利だ。北アルプスに比べると2,3時間位短く感じる。近いのはいい。 伊那ICを降り、1時間ぐらい暗い夜道をナビに任せて走ると、仙流荘に到着した。仙丈ヶ岳への名古屋方面からのアクセスは、ここ仙流荘からバスに乗り、北沢峠まで向かう。この峠が出発地点になるのだ。 仙流荘のちょっと先に大きな駐車場がある。到着は深夜3時だったが、すでに多くの車で埋まっていた。驚きである。まあ、天候が安定する梅雨明け10日だし、それに今日が事実上今年のアルプスの登山開始日になる。混んでいて当たり前か。 車を止め、仮眠。 1時間ほどでアナウンスが流れる。 「今日は登山客が多いのでバスの始発を5時とします」 バスの始発が5時になった。確かに始発の6時を待っていたら、大混乱にもなりそうだ。さっそく支度を始める。 軽食にトイレを済ませ切符を購入する頃には、バスの待合には長い行列となっていた。一体何時ごろに乗れるのだろう。 北沢峠には片道1時間弱かかるそうで、単純に往復2時間弱ぐらいは一度出たバスは戻ってこない。10台ほどバスはあるそうだが、ほとんど出払ってしまっている。 ちょっと心配しながらバスを待っていたが、結局午前6時半発のバスに乗ることができた。ここで遅れると、後で大変になるところだった。
バスは補助席まで使って満席。皆大きなザックを持っているので狭く感じる。アジアのバスを思い出す。 嬉しいことに天気は快晴。バスの窓からも南アルプスの壮大な景色が楽しむことができる。運転手さんが簡単な山の説明をしてくれるのだが、あまり踏み入れたことのない南アルプスの山は新鮮に映る。 北沢峠までは約45分強。かなり標高も上がって来た場所にある。 バスを降りると、ちょっと空気がひんやりする。午前7時20分。まずまずの時間だ。 北沢峠には軽食を摂れる場所や、トイレなどがあり出発地点としての場所の役割も十分果たしている。ここから甲斐駒ケ岳や仙丈ヶ岳に向かうことができる。 我々もストレッチを行い、トイレの脇にある仙丈ヶ岳への登山道へ向かった。 歩き易くはないが、しっかりと踏み込まれているので安心して歩ける。当然だが、最初から結構な登りが続く。 難易度的にはハイキングレベルではない気がする。それなりの登山道だ。でも手を使わなければ無ないような道でもない。まあほぼ初心者でも問題ない。 しかし今日は登山客が多い。特に老人のグループが目立つ。大体10人弱のグループで、リーダーっぽい人が率いている。 友人Tは体力不足の為へたれの自分より歩くのが遅いので、無論この老人グループにも抜かされる。まあ登山は誰かと競うものではないし、安全に山を楽しみながら登れればそれでいいのだが。
空気が美味しい。北沢峠ですでに標高2,030mもあるので虫類もほとんどいないし、木々も綺麗だ。途中平坦な道などでは、歩いていても本当に気分が良い。ただ、まあ登り傾斜が多いのは仕方がない。 登山開始から2時間弱で4合目に到着した。この辺りまで来ると結構体力も消耗している。水分と行動食を補給しながら進む。石も増えてきた。危険個所は少ないが、雨の後などは滑りやすくなるので気を付けて歩きたい。
2時間半ほどで大滝ノ頭五合目に到着した。今回ここが一つの分岐点となる。 ここらの小屋は予約を取らなければならないそうで、最初仙丈ヶ岳のすぐ麓にある仙丈小屋に電話したが、1週間前ですでに満室で断られてしまった。仕方がないのでちょっと下った先にある馬の背ヒュッテに連絡したが、ここもすでに100名の予約があった。ただ、断られはしなかった。悩んだが、心は南アルプスに向いていたので、予約をお願いした。 で、その馬の背ヒュッテへの分岐点がここ五合目になる。 予定ではこのまま馬の背ヒュッテに向かうつもりであったが、現在約10時。そしてヒュッテまで所要1時間。つまり午前11時には小屋に着いて今日の登山が終わってしまうことになる。 遅く着くのは厳禁だが、あまり早く着いてもすることがない。。 ちなみにここから仙丈ヶ岳に登って周遊するルートを進んでもヒュッテには到着できる。約3時間ちょっとか。午後2時過ぎに着くことになる。時間的には問題ない。 友人Tに相談したが、すでに汗だくで息も上がりぐったりしているTは、迷うことなくヒュッテに向かうという。少し話し合ったが、ここで別れることにした。大丈夫だと思うが、もし明日雨が降ったりしたら仙丈ヶ岳には登れない。何より8時間近くも小屋で過ごすのは辛い。 と言う訳で、Tと別れて仙丈ヶ岳に向かう。 ここからまず向かうのは、標高2,855mの小仙丈ヶ岳。時間的には1時間だが、なにせ登りがきつい。登山道もそれなりに険しい。とにかく石やら木の根っこやらがわんさかある。それもりも登りがきつい。本当にきつい。 そんな中での楽しみは、先に登っている人が 「わあ、綺麗!」 とか叫んでいる、そう後ろに聳える甲斐駒ケ岳の雄姿である。とにかく立派で美しい山だ。疲れた体にちょっと元気をくれるようだ。晴天は嬉しいのだが、直射日光が強く、これも体力意を奪う。前に進む。
30分ほど厳しい登りを進むと、6合目に出る。この辺りからハイマツが現れ、そして視界が開ける。 そう、ようやく美しい南アルプスを堪能しながら歩くコースとなるのだ。目の前には低木で埋められた稜線の美しい山が控える。そこを豆粒のように登る人が見える。あそこを登るのか。。 視界が開けたのはいいが、日影がなくかなり暑い。まあ天気がいいので贅沢は言えないか。 ハイマツの間に、ナナカマドの花が綺麗に咲いている。これは秋に来たら紅葉がすごいのではないかと思う。機会があればぜひ訪れたいと思う。 途中で北岳と富士山のツーショットも見ることができた。日本のNo1.2を同時に見られるのは何とも贅沢である。 しかし、小仙丈ヶ岳までの登りがきつい。地味に体力を奪ってゆく。地図にはこの辺りが森林限界となっているが、自分的には体力限界である。最近山に登っていなかったので、きつい。ブランクを感じる。
くたくたになりながら11時過ぎにようやく小仙丈ヶ岳に到着した。 ここからの景色も素晴らしい。北岳や鳳凰三山、仙丈ヶ岳、富士山まで楽しめる。疲れも吹き飛ぶぐらいの絶景だ。軽食と小休憩を取り、しばし景色を楽しむ。 しかし人が多いなあ。休んでいても次から次へと人が来る。老人グループも多いが、若い人も多い。特に女性が目につく。いわゆる山ガールってやつかな。カラフルな登山服に身を包んでお洒落である。こういう書き方をするのも、おじさんなのかな。
小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳までは、最初なだらかな道を歩く。アルプスの絶景を楽しみながら、歩ける素晴らしい時間だ。 何度も書くが、後方には甲斐駒ケ岳、左手には北岳と富士山のツーショット、前方には間ノ岳。皆百名山の山々だ。天気も良く、疲れも忘れるほどである。
8合目の手前にちょっとした岩場がある。雨や風が吹けば危険な場所になりそうだ。今日は気を付けていれば問題ない。 さて、ここから先、仁王立ちのように山が立ち塞がる。結構な登りだ。今日はだいぶもう歩いているので、正直体はしんどい。でも登らない訳にはいかないので、ゆっくりと進む。 しかしみんな、他に登っている人達だが、元気なもんだ。気のせいかどんどん抜かれてゆく。これはもうブランクとかいう話ではないような気もする。歳か?
厳しく続く登りに最早景色を楽しむ余裕すらなくなってきている。正直この辺りの記憶も余りない。それでも老体に鞭打って頑張って頑張って登った場所は、山頂ではありませんでした。。偽ピークでした。目標の仙丈ヶ岳はもう二つほど丘を越えた先でした。。。 まあでもここまでこれば、もうピークは見えているし、何とかなるだろうと思っていたが、何気にこの最後の行程もきつかった。標高も上がっているので、酸素もやや少ないせいかな。
ゆっくりゆっくり歩いて、午後12時50分、ようやく仙丈ヶ岳に到着。嬉しいな。 山頂ではたくさんの人が休憩していた。ようやく着いたこの場所を楽しんでいるように見える。景色はそれほど変わらないが、360度の大パノラマで達成感も感じられる。 さて、余韻に浸っていたいが、体力的にすでに限界を超え、しかももう1時過ぎ。ここからまだ見ぬヒュッテを目指さなければならない。 と言う訳で、下山。
この頃からすこしずつガスってきた。急な登山道を20分ほどで仙丈小屋に到着するのだが、一面がガスってしまい何も見えない状況だ。やはり日差しが強いので午後は天候が崩れやすい。 仙丈小屋までも通常の登山道なのだが、足にもうかなり疲れが来ているので下るだけでも一苦労である。しかもガスってるし、明日またこの道を登らなければならないと思うと何だか下るのも辛い。 途中の仙丈小屋では多くの人が休憩をしていたのだが、休みなど取らずにそのままさらに下る。ああ、辛い。 ちなみに仙丈小屋の水場は馬の背ヒュッテに行く通りにあるのだが、水量も豊富でしかも凍るほど冷たい。火照った体には何ともうまい水だ。まさに南アルプスの天然水。 仙丈小屋から下る人はさすがにこの時間は少ない。ガスっているし、人も少ないので少々不安になる。上から眺めても馬の背ヒュッテらしき建物は全く見えない。大丈夫かな。 ある程度下ると尾根のような場所にでる。この先にあることを期待して進むが、一向に着く気配がない。 不安を抱えつつ歩くこと45分、突然建物が現れた。馬の背ヒュッテだ。
14時ちょうどである。 先に来ていた友人Tが宿泊料金を払ってくれていたので、自分の分を渡す(5500円/素泊まり)。もうすでに多くの人が休憩をしていて、我々も荷物を置くとすぐに缶ビール(600円)で乾杯する。 ちょっと小屋の事を書く。 まず宿泊だが、食事なしの素泊まりが5,500円。二食付きの料金は8,500円。目についた感じでは夕食はカレー、そして朝は弁当のようなものを渡されていた。 ビールは350ml缶で600円、生ビールが900円だ。生ビールはジョッキで出るのでこちらの方がお得かもしれない。 部屋は雑魚寝。目一杯人がいたので、ぎゅうぎゅう詰めだ。仕方ないが。 ただ一番感じたのは、「どこで寛げばいいのか分からない」ってことだ。 雑魚寝の部屋は貴重品などしか持って行けず基本寝るだけ。おしゃべりもできない。食堂では食事の時間には居るわけにはいかないので駄目。となると自炊ができる外しかない。しかし椅子は少ない、適当な石も少ない、何より狭い。雨が降ったらいったいどうなるのやら。 山の中の小屋なので贅沢は言えないが、荷物は重いけどプライベート空間が持てるテント泊が自分にやはりは合っている。
外で友人Tとビールを飲みながら時間を過ごす。そうしている間にもたくさんの人がやって来ては休憩、宿泊の手続きをしてゆく。本当に忙しい時だ。 ひとつ気付いたのが、ソロ登山をしている人がほとんどいない。小屋泊が前提となるので、無理もないがテント泊では一人で過ごす人を良く見かけるが、ここでは皆グループだ。なんかやはりいつもと違う。 2食付の人達が16時半から順番に食事を始める。それに合わせて17時ぐらいに自炊に取り掛かった。いつもの食事担当の相棒がいないので、ラーメン。これが簡単でいいや。 18時過ぎには寝支度をして、床に就く。まだ明るいけど、することがないのでまあいいや。 床に入ってもしばらくは眠れなかった。両隣からいびきのサラウンド。しかもトイレ(外にある)に行った時に転んで手から血があふれ出し、止血はしたがズキズキして痛い。時々窓の外から見える星を眺めつつ、結局22時過ぎぐらいにようやく眠れた。 梅の背ヒュッテ〜仙丈ヶ岳〜北沢峠 翌日は午前4時起き。 5時には出発したかったのでこの時間の起床は予定通りなのだが、風が強い。時々小屋が揺れるほどの強風だ。 外に出てみるとやはり風は強く、とてもバーナーを使える状態ではない。仕方ないのでコーヒーは諦め(テントなら換気してテント内で沸かせる【ほんとは禁止ね】)、パンだけをかじる。寂しい食事だ。 雲がすごい勢いで流れてゆく。日の出と相まって美しいが、何せ風が強い。山頂方面は厚い雲で覆われている。 今日出発できるか。 雲は日が差せば消えることはあるが、風。風が弱くならないと危なくて山の上は歩けない。ちょっとした岩場もあったので危険である。
日が十分差し始めた午前5時ごろになって、少しずつ雲が取れてきたので山頂を目指して出発することにした。風も幾分おさまったようだ。 歩き始めて尾根まで上がると、綺麗な景色が広がっていた。 昨日はガスって何も見えなかったが、美しい仙丈ヶ岳と仙丈小屋などが見える。あれを見ながら歩くのは何とも楽しいものだ。一晩寝たので体力も十分回復している。 天気も今朝の荒れ方が嘘のように晴天、そして心地よい風。やはり昨晩の星空はその証だった。 しかし友人Tは死にそうになっている。心地よい風なのに汗だくだくだし、ちょっと歩くだけで息が上がっている。大丈夫か? 仙丈小屋の水場に到着。ギンギンに冷えた天然水をたっぷり頂く。冷たくて、美味しくて、最高である。本当にここの水は美味しい。これまで飲んできた中でも絶品である。 今日は仙丈小屋でも一休みする。しかしまあ、見晴らしのいい場所にテーブルなどが置いてあって、朝のコーヒーなどは最高だと思う。自炊室などもあるようで、素泊まり客でも嬉しい。やはりこちらが人気があるのかな。
仙丈小屋から仙丈ヶ岳までは目と鼻の先だ。ただ、ちょっと登らなければならない。まあでもこれだけの快晴で、気持ちいい朝なら全く大丈夫だろう。友人Tは死んでいるので、ゆっくーり登る。 たくさんの人に抜かれつつ、馬の背ヒュッテを出て約2時間、ようやく仙丈ヶ岳に到着した。地図上では1時間20分となっているので、約40分の遅れ。 山頂は風がとても強かったので長居はできないが、2度目の仙丈ヶ岳山頂も素晴らしい快晴に恵まれた。
今日は下山日なのでこのまま次の小仙丈ヶ岳を目指す。 このコースは昨日登ってきているが、やはり下りの方がはるかに楽だ。ゼイゼイ言いながら登ってくる人とすれ違うと、昨日の苦労を思い出す。振り返って聳え立つ山々を見ると、これに登るのはもう無理だとか思ってしまう。 仙丈ヶ岳から小仙丈ヶ岳までは、特に下りは気持ちいいアルプスの尾根歩きが楽しめる。友人Tはここでも死にそうな感じになっているが、果たして楽しめているのだろうか。 午前9時、小仙丈ヶ岳に到着。 今日は富士山が良く見える。しかしもうしばらく行くと富士ともお別れだ。ここまでで4時間、そろそろ足が疲れてきた。軽食と小休憩を取り、さらに下る。 6合目に到着。ここから先は景観がほぼなくなる。疲れた体には単純な山歩きと感じてしまう。
結局小仙丈ヶ岳から北沢峠まで約2時間半、疲れた体に鞭打ってようやく戻ってきた。仙丈ヶ岳は楽なコースかと思っていたが、ブランクもあり意外と大変だった。 それでも仙丈ヶ岳や北岳、富士山など美しいアルプスの山々は期待を裏切らない。 残念なのはテントが張れないこと。ただただ、この一点だ。
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